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「グルーヴ」について思うこと
「グルーヴ」について、最近よく考えます。

以前ドラマーの神保彰さんがこう語っていました。
「『ノリ』を合わせる、『グルーヴ』を合わせる、というのは、『パルス』を一致させる、ということ」

『パルス』というのは、平たく言うと耳には聞こえないビート感のことですね。
例えば、4分音符一つの中には16分音符四つ分のパルスがあります。

更に、神保さんはこうも言っていました。
「ノリの良い音楽とは、メンバーや聴衆とパルスが一致している状態のこと」

うーん、言ってることはよく分かるけれど、いざ実践しようとすると…難しい。
パルスって、あくまでも感覚的なものでしかないですからね。

まとまりのあるアンサンブルは、メンバー同士のグルーヴが揃っている。
自分の好きなCDには、自分の好きなグルーヴがある。
「聴衆も巻き込む熱演」…それはきっと、聴衆と演奏者のグルーヴが一致している。

これは、音楽に限った話ではないような気もします。
絵画には、色遣いやタッチというグルーヴがある。
文章や会話にだってグルーヴがあります。
一緒にいて居心地が良い人とは、会話がなくてもきっと同じグルーヴが流れている。

演奏する時は、一緒に演奏する仲間や聴いている人が心地良く思えるグルーヴのある演奏がしたい。
作曲する時は、演奏する人が良いグルーヴを持って演奏出来る譜面を書きたい。
自分が聴衆になる時は、演奏家や作曲家のグルーヴに身を委ねたい。

じゃあ、自分にとっても相手にとっても心地良いグルーヴって一体何なんだろう?
いくら自分が気持ち良く演奏していても、相手は気持ち良くないかもしれない。
かと言って相手のことを考えるあまり自分を犠牲にしてしまうのは本意ではない。
(そういう時は、だいたい相手にとって「ありがた迷惑」だったりします)

結局のところ、音楽は人対人のコミュニケーションなんですよね。
相手の気持ちをいかにして推し量るか。
そして、それは音楽をやる以前に、人としてコミュニケーションがうまく取れるかどうかの問題なのではないか、とも思うのです。

だから、音楽をやる上で仲間や聴衆を気遣うのはもちろんのこと、
普段から相手の気持ちを推し量れる人間でありたいと思います。
友達との何気ない会話、メールでのやりとり、飲みの席での立ち振る舞い、etc...
お互いが気持ち良く過ごせるような人間関係を築いていきたい。

きっとそれは、自分の音楽にも良い影響を与えてくれるのではないか、
と考えている今日この頃です。

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