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【東日本大震災】ゆっくり傷を治し、復興を。
地震当時、僕は自宅にいました。
人間いざってときに何もできないもので、自分の身を守るのが精一杯。
幸い怪我もなく、部屋の中も物が落ちたりした程度。
揺れが収まってすぐ、テレビをつけてPCを立ち上げました。
停電しなかったのが幸いでした。非常時に情報がないと不安になるものです。

テレビ、twitter、mixiを通じて出来る限り正確と思う情報を収集しました。
他の人に対しても有益だと思う情報については、行きすぎない程度に自分からも発信。

「落ち着いていてすごい」「元気の出るつぶやきをありがとう」
と、何人かの方から言って頂きました。
僕がこうして何かを発信するのは、「自分を落ち着かせる」という意味合いが大きいですが、
僕の思いや考え方に「共感」してくれる人たちがいる、というのは、ひとり暮らしの僕にとって何より大きな支えになりました。
本当にありがとうございます。

自分の中で色々と思うことはありますが、特に僕の周りに多い、震災による物的被害の少なかった方々へ。
お願いというか、伝えたいことをここに書きます。

「悲観的にならず、これからの日々を生きていきましょう。」

被害の大きな地域の悲惨な現状、
原発がどうなるかわからないという不安、
計画停電の影響など、思うように日常生活を送れない日々…

いま、どうしても悲観的になってしまいがちな要素がたくさんあります。
決して「楽観的になろう」と言いたいわけではありません。

ここは日本です。
この100年の間に関東と阪神で大震災が起き、世界で唯一原爆を落とされ、
その他数々の災害に見舞われながらも、幾度となく復興してきた国です。
すぐには無理かもしれないけど、絶対復興していける。

復興に必要なのは、他でもない、「人の力」です。
特に、僕たち若い世代が力を注いでいかなくてはなりません。
若い世代が将来を悲観しての復興はありえない、と僕は思います。

災害は目に見える傷だけでなく、人々の心にも傷をつけていきます。
僕たちの住む地域のように被害の少ないところでも、みんな多かれ少なかれ心に傷を負っています。僕たちも被災者です。
負傷者には治療が必要です。

仕事が手につかない、楽器を弾く気になれない、遊びに行くのは控えたい…
無理をする必要はないと思います。心が傷を負っているから。
そしてその傷の大きさには個人差があります。
周りに足並みをそろえる必要はありません。
自分に合った治療法を見つけて、じっくり治していきましょう。
傷を治すことには、罪悪感を感じなくて大丈夫。
適切な治療法なら、周りから不謹慎と思われることもないはずです。

復興に必要な「人の力」を発揮できるのは、ひとりひとりの心の傷が治ってから。
焦らずに、まずは心の傷の治療を優先しましょう。
治療のためには、人に頼ってもいいです。自分で治してもいいです。

そこでひとつ意識しておきたいのは、
「情報を選択し、自分の身を守るのは自分自身」ということ。

いま、テレビやネットを始めとにかくたくさんの情報が溢れています。
どうか、自分に必要な情報「だけ」を慎重に見極めて、取り込んでください。
必要ないものは遮断するのもひとつの手段です。
テレビの地震報道は見続けていると心の傷を広げてしまいます。
不安でもスイッチを切る勇気を。
必要と思う情報を他者に発信するときには、感情的にならず、冷静に。

僕がここに書き綴っていることも、ひとつの「情報」に過ぎません。
自分に必要ないと思うなら、無視してください。
必要と思うなら、自分の中に取り込んでみてください。

僕は今の状況に不安は感じていても、悲観的にはなっていません。
将来を悲観せず、心の傷を治し、壊れた街を建て直し、日常生活を取り戻す努力をすれば、
日本は必ず立ち直れる。そう信じています。

まだ多くの方々が安否不明で、原発や余震などさらなる危険も続いています。
復興よりも前に、万が一の事態への備えは、まだまだ怠ってはいけないと思っています。
震災により亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、
被害の大きな地域が一刻も早く復興できることを、心より願っております。

(2011年3月15日の日記より、一部文章を改訂しています)

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